本記録はカルドセプトビギンズの先行体験会の記録である。
行列、そしてプロデューサーとの邂逅
カルドセプト職人の朝は早い――。
6/20の体験会で早々に整理券が売り切れたことを踏まえ、始発の新幹線での出発を決意した。 睡眠時間とカルドセプト、どちらを優先すべきかは考えるまでもないことだ。
開店前、大人気カルドセプトのノボリがヨドバシカメラ秋葉原店の前に燦然と輝いている。 開始1時間前に着いたのにすでに並んでいるセプターがいる。 やはりカルドセプトはいい――。
我々が並ぶことに躊躇はない。ノボリの下で開店を待つ時間さえ、10年待った身には祝祭である。並んでいるだけですでにはつらつとしている。いつの間にか、バイタリティでもかかっているのではないか?

そうして10時40分からの枠を確保した。 試遊を待つ間、プロデューサー武重氏と言葉を交わす機会に恵まれる。
あるセプターが食い下がっていた。なぜエリアがなくなったのか、と。エリア分けがなければ、広いマップはどこも同じ顔になってしまうではないか――そういう問いである。
武重氏は柔らかく応じた。
武重P初心者にもわかりやすく整理していくと、すべては残せないんです。
広いマップを誰もが迷わず歩けるようにするための、引き算の設計なのだろうか。 老害セプターの込み入った問いを、敏腕プロデューサーはさらりとかわしてみせた。
会話の端々には、次回作を見据えた前向きな手応えがにじんでいた。10年という歳月を待った身として、この段階で「次」という言葉に触れられること自体が、望外の喜びである。
4Kでカルドセプトが動いている!
画面に目を向けた瞬間、私は不覚にも息を呑んだ。 4Kの大画面で、カルドセプトが動いている!
熟練のセプターたちは、3DSのサービス終了直前まで、カルドセプトリボルトを800×240ピクセルの画面でプレイしていた。4Kは単純計算43倍である。ドリアードが、本当に画面から飛び出してきそうだ!
そして装備品の描き込みは目を見張るものがある。このプレートメイルを眺めていたら、家に一着置きたくなってきた。 聞けば、本物のプレートメイルは今買おうとすると40万円くらいするそうだ。 プロセプターとして立身出世した暁には、購入することとしよう。
試合ではなく検証をしにきた
卓に着く。持ち時間は20分。使えるのは初期ブックのみ。 この制約を前に、職人は静かに覚悟を決める。
断っておくが、私は試合をしに来たわけではない。 試合は発売後にどうせ4000試合くらいする。今この20分でやるべきことは、勝敗ではない。 仕様の検証である。
お前あの祠壊したんか?!
今やるべきは護符の仕様チェックだ。
ところが、おすそわけ対戦で使える2つのマップ、リカドの村にもザ・エイトにも護符なしマップである。検証の足場がない。
諦めるしかないのか? 否、リカドには祠がある。 ならば祠から「7つの願い(護符マップでなくても護符を得ることができる効果)」を引けばいい。3DS版を想定するなら、序盤マップの祠効果は55種類。1種類を引き当てる確率はおよそ1.8%である。
本作の祠効果プールがどう組まれているかは現時点で不明だが、熟練のカルドセプト職人であれば、1.8%を引き当てることなど容易い。
インタビュアーかなり厳しい確率に見えますが?
ヨシその厳しい確率を手繰り寄せるのがセプターです。運を実力でねじ伏せる、リボルトの頃から言われていたことですよ。
静かに、しかし確かな自信をたたえたセプターが卓につく。
駄目だった。
猿も木から落ちる、ヨシも城3歩前で2をふる (どんなに上手なセプターでもダイスが振るわず負けることがある、というバブラシュカに伝わることわざ)である。
祠はケチである
護符の検証は不発に終わった。
だが、ただでは転ばない。20分の試遊中、祠の効果はこの目で実機の発動を確認している。まず「報酬」、周回数に応じて魔力がもらえる祠効果である。
本作のマナ(周回報酬) : 周回数 × 100G
祠の周回報酬 : 周回数 × 50G
祠の報酬は、マナのちょうど半分。祠はケチである。
次に「尊敬」。旧作のトライアンフと同じ効果を持つ祠だ。
旧作準拠なら : 1.5倍
本作(祠) : 1.3倍
倍率は控えめに引き下げられていた。さっきとやっていること違うやんけ。やはり祠はケチである。
なお、以下の効果は旧作と同一であることを確認した。
- 集団成長:すべてのクリーチャーの最大HP +10
- 祝宴:すべてのセプターが100Gを得る
- 命の潮流:自身のクリーチャーのHPを全回復
- ささやかな幸運:200Gを得る
カードリストを貪る
カルドセプトは、手番が回るまで操作を必要としない。すごろくのようなものだ。 その待ち時間に、我々は特装版付録のカードリストを見せていただいた。

宝の山であった。 「100万Gで買い取ろう」と本気で思った。 気がつけば、私はゲームをしているのか本を読んでいるのか、判然としなくなっていた。
しかし、あの本を読み切るには、試遊時間の20分は短すぎる。全然覚えきれない。
試合直後、ダメ元でスタッフにお願いしてみた。もう一度、あの本を見せてはもらえないか、と。
「構いませんよ。撮影はご遠慮くださいね」
神々しすぎる。この方はスタッフではなく、カルドラ様だったのかもしれない。本に群がるセプターたち。スタチューにでもなったかのように、微動だにせず読んでいった。
インタビュアーせっかくの体験会なのだから、もっとカルドセプトの試合を楽しむべきでは?
ヨシ今日の私にとっての最高のカルドセプトは、この本を読むことです。
本当に、本当に楽しい時間であった。カードリスト読むの楽しすぎる。
間抜けな話だが、ヨドバシを後にして近くの店で感想戦をしていたところ、スカルプチャーとメタモルフォシスの存在を確認していなかったことに気がついた。矢も盾もたまらず、再び会場へ戻り、カルドラ様にもう一度お願いしたところ 快く拝見させていただけた。本当に感謝でいっぱいである。
特装版は、絶対に買う。というか、もう予約した。
- どんなカードが載っていたのか公開しないのですか?
-
ブックを拝見する際に「撮影とメモは控えてほしい」と言われました。これは公開を控えてほしい、という意味だと捉えます。公式の発表があるまではカードリストの内容は公言する予定はありません。
そして発売日へ
カードリストの中で、私の心を最も騒がせた一枚について書いておきたい。
かつてリボルトには、マジカルリープという超ぶっ壊れの最強カードが存在した。今回、それを彷彿とさせる後継――と私には思えてならないカードがあったのだ。その名を、シャドウリープという。
実のところ、私はこのカードのことを発売日まで胸に秘めておくつもりだったのだ。カルドラ様にも、ネットへの公開は控えるよう言われていたからだ。言いたい。だが言えない。私は一人、悶々としていた。
ところが同日の公式Xで、シャドウリープはあっさり公開された。
何やねん、言っていいんかい!
おかげで、こうして語れるようになったわけだ。公式に感謝するべきか、悶々とした時間を返せと言うべきか、判断に迷うところである。
とりあえず、着地した後に進行方向を選べるのであればかなり強力である。ディスカードがあるのが気になるものの、一定枚数採用して良いカードであると認識する。
まとめ
とにもかくにも至福の時間であった。ネオス及びヨドバシカメラのスタッフの皆々様には改めて良い機会を作っていただいたことに対して感謝を伝えたい。
最後に一つだけ。「これは言いたい!!」と叫びたくなるような切れのある新カードは、つかみで数えてもあと20枚はあった。名前はまだ言えない。セプター諸兄は、発売日を楽しみにしていてほしい。


コメント
コメント一覧 (2件)
ヨシさんのウキウキが伝わってくる楽しい記事でした!
護符の検証しに行ったの無茶すぎて笑っちゃいましたw
でもナイスファイトです!
ありがとうございます、あの日一番カルドセプトを楽しんだのは自分だった自信があります!